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「そうだったの…ごめんねぇー圭吾」 手を合わせて頭を下げた 「やめろよ、俺だって酔いまくってたし」 圭吾はタバコに火を着けた 「…圭吾に…何かしちゃった?」 「…まぁ…想像にお任せします」 「ちょっとぉ!本当の事言ってよ!」 圭吾は楽しそうにコーヒーをすすった 昨日3軒目に入ったお店は、お店ではなくて、圭吾の部屋だったらしい 美佳と3人で家呑みをしてたのに、あたしは真っ先に寝てしまい、美佳はタクシーで帰り、圭吾も寝てしまった 服は、寝苦しくて脱いだのかもしれない と、思う事にする 「佐和はコーヒーいらねーの?まだあるけど」 「うん、苦いし」 「ガキだねー」 「悪かったわねっ」 圭吾には気を使わないで居られる 初めて出来た男友達 あたしがこんな風に男の子と普通に喋れるのも、全部、宏樹くんのおかげなのに 宏樹くん、どうしてるかな… タバコとコーヒーの匂い 懐かしい でも目の前に居るのは、宏樹くんじゃない
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