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「この先のパスタ屋でお昼しようと思うんだけど、その前にちょっと歩かない?すぐそこから海沿いの遊歩道に行けるの」 「いーね」 佐和子は普通の顔色になっていた 康介は車を遊歩道のすぐ近くに停車させた 菜月ちゃんは康介の腕に手を回し、嬉しそうに歩いて行く 康介も満更でもない様子だ 「菜月ちゃんはしゃいでるね」 「あ、うん…」 佐和子はまた少し頬を赤らめ、俺から目をそらす 俺はそんな佐和子を可愛いと思った 「もっと普通にしてよ?俺って怖い?」 「ちがっ…!」 慌てた様子で顔をあげた佐和子は、思いの外強い視線を俺に向けた 菜月ちゃんの言う佐和子のすごい人見知りってのは、単に男慣れしてないだけで、人見知りとは少し違うな 今時こんな純真無垢な子が、居るだろうか 「菜月ちゃんから聞いてたよりヒドイなーこれは…可愛いのに」 「…は?」 悲しそうな顔をしたかと思えば、すぐに豆鉄砲をくらった顔になる 「可愛いのにって言ったんだけど?」 本当に可愛いと思った 「だって今…ヒドイって…」 そっちか!と突っ込みたくなる 「いや、勘違いしないでよ!人見知りが激しいってこと!」 「あ…、そっか」 強張った表情が緩み、本来の佐和子であろう笑顔を、初めて見た 今まで遊んで来た女には無い、穏やかで優しい笑顔だった
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