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佐和子は俺に着いてくる
心ここにあらず…そんな感じだ
「何考えてる?」
「あ、別に…」
ハッとして顔を上げた佐和子と目が合う
「俺は…そんな人見知りな所も、可愛いと思えるよ」
「いや…そんな…」
予想通りに照れている姿を見たら、もっと攻めてやりたい気分になる
「俺の事はどう思う?」
「いっ、いきなり?」
「うん、いきなり」
焦りながら目をうろつかせて、赤くなる
「えっと、あの…」
我ながら悪趣味だ
どうしたんだ、俺
「また…会ってくれる?」
振り絞るようにそう言った佐和子が可愛くて、この子なら真世を忘れさせてくれるかもしれないと思った
いや、この子がいいんだろうと思った
遊歩道の途中にあった自販機でレモネードを買った
手渡すと、佐和子はレモネードの缶を両手で包み、暖めていた
「寒くない?」
「ありがとう…大丈夫」
そんな何気ない一言が、また昔を思い出させた
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