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仕事が終わり、佐和子に電話をかけた
まだ5:30だから家で居ると思ったのに
「えぇっ!?もう?」
『うん…ヒマだったし』
もうすでに暗い上に寒いのに、佐和子は公園に居た
「じゃ…とりあえず行くわ」
本当は一旦帰ってから迎えに行くつもりだった
作業着のままだが仕方がない
40分はかかるだろうか
絡まれたりしてなきゃいいが
佐和子の家近くの公園まで、何とか道を覚えておけたらしく、迷わず辿り着けた
ナビの地点登録もする必要なかったな
公園の外灯下のベンチに座る佐和子を見つけた
マフラーで顔を半分隠し、寒そうに身を縮めている
俺が車から降りると、飼い主を見つけた仔犬みたいな顔をした
「大丈夫か?」
「うん」
大丈夫じゃないだろ
そんな健気な返事を聞いたら、俺はいちいち真世を思い出すんだよ
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