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「何してんの?そこで待つ気?」 何故か部屋に向かう俺に着いて来ようとしない 「えっ…うん」 「冗談キツイわ、この寒さで」 …もしかして俺は警戒されてんのか ちょっと呆れるな 「…何もしないって」 そういうと黙って着いて来た 玄関に散らかった靴を片付けた いくら予想外とはいえ、少しは掃除でもしとけば良かったな 佐和子を招き入れた キョロキョロと、部屋じゅうを珍しそうに見る かと思えばフローリングに正座するという、カチカチの固まりよう 面白いからそのままにして、顔を洗った 「足くすせば?」 人を招き入れられるように部屋を作っておけば良かったな リラックスなんて出来たもんじゃない 佐和子を尻目に、クローゼットを開けて着替えた その途中でまた、佐和子に免疫がない事を思い出す 少し振り向くと、佐和子は目のやり場を探していた しまった、今までの女と違うんだった 以後、気を付けよう
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