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歩いて、すぐ近くの居酒屋に行った
とりあえず注文したビールを一気に呑みほす
佐和子は俺が頼まないような、甘い酒を呑む
少しだけ酔った佐和子は、普通に喋るんだな
よく笑う
俺の肩を叩いたりしながら、いつもよりテンションが高く、楽しそうだ
テーブルに置いたままの俺の左手に佐和子の手が重なった
何を意味しているのかは分からないが、行き場の無くなった佐和子の手を握り返した
「酔ってる?」
「…酔ってないよぉ…」
握り返した手を緩め、指を絡ませた
俺をどう思うか聞くと、自分はどうなのかと質問を返された
女はやっぱり頭が良い生き物だ
俺は好きだと言った
「…うそ」
「嘘じゃない」
「どんな所が…好き?」
「…俺に必死な所」
「何それ!」
ムキになる佐和子が可愛くて、もっとそんな顔を見たいと思う
「そーゆうトコが可愛くて…いいな」
本心だった
今日はこのまま…離したくないと思った
でも、
俺の理性があるうちに、帰そう
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