遠い幸せ

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(夢でもないような気もする…。過去にそんな記憶もない…ケド…リアルすぎる…。) 何も見えない真っ黒な世界にいて。 体を動かそうとしてもうまく動かせない。 訳がわからないほど酷く悲しくて、声が枯れるぐらい必死に私は何かに叫んでいる。 「いやぁぁああ゛あ゛あ゛!!!」 … (今思い出しても訳がわからない…。) でも、いくら考えても解決するはずもないので、私は寝ることにした。 … 「ぅわ!…えっ…また…またこの夢…!?」 その後それを4・5回繰り返した。 まだまだ外は暗く、安眠につくことが出来ないので諦めて起きていることにした。 山の頂上付近を散歩したりして、バッチリ日の出も見た。 …ということで徹夜。 山を歩いてさすがに少し疲れたので家に帰ることにした。 椅子に座っていたらいつの間にか寝ていた。 夢をみた…。 でもあの夢じゃない。 妄想がまじりまくったような夢。 それはあの時の夢だった…。 「…大丈夫?」 優しくかけられた声。 駆けつけてくれた人の顔が見たくて、私は顔をあげる。 …あの人だ。 そこにいたのは、何故か気になるあの人…。 私は言った。 「大丈夫です。 心配してくれてありがとうございます。」 「…とても優しい人なんですね。憧れます。」 あの人は少し照れたように頬を掻きながら言った。 「あっありがとう。」 その仕草が可愛らしく思えて、私は少し笑って、あの人も私を見て笑った。 二人でそうしている時がとても嬉しくて、私にとっての幸福だった。 … そんな夢…。 夢のなかの私は幸せそうで羨ましく思えた。 …
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