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  蝶の様に優雅に華麗に、中を舞いたいと思い、羽根を纏ってみた   けれど、私にはやはり無理だった…   どんなに美しい羽根を纏っても どんなに飛び方を真似ても 蝶の様にはなれず、私の羽根はバタバタと音を立てていた…   其の姿は灯りを求める蛾の様だった…   何時しか私の羽根からは、鱗粉が吐き出され 苦しめるつもり等無いのに、私の周りにいる人達をどんどん苦しめていった…   やがて、自らの鱗粉で、私の肺まで苦しくなり、息は絶え絶えになっていた…   只、蝶の様になりたかっただけなのに…   所詮私は蛾にしかなれなかった…   只、只…望んだだけだったのに…   こんな姿になりたかったんじゃない……   皆を苦しめたかったんじゃない……   只…只………  image=61889118.jpg
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