たまこ

そばがいるよ

──駅には天ぷらそばがよく似合う。

　などとどこかで聞いた事があるようなフレーズを呟ているのは何を隠そうこの私、和泉珠子である。
　駅で立ち食いそばを無性に食べたくなる日がある私は、時間に余裕があれば食べに行ってしまう。
　最近は、パン屋さんのイートインスペースなんかも出来ているが、私は断然立ち食い派である！と声を大きく主張してしまう私がいる。
　玲子ちんに言わせると、
「理屈を付けようとし過ぎているだけに思えるけど？　趣味嗜好は人それぞれなんだからさ」
とばっさりだ。
　むー、言い返す言葉が見つからん。

　それはそれとして、
　ずるずるー、ずるずる～。
　ずるずるー、ずるずる～。
　そう、私のお昼は蕎麦なのだ！
　し・か・も、ちょっとおごって天ざる蕎麦なーのだ！
　揚げたての天ぷらのさくさくしたやつを、ちょんと天つゆに付けて食べる。
　いやー、いい仕事してますなー！
　蕎麦は初めネギだけ、半分いったところでワサビを段階的につゆに入れてすする。【食べる】という表現より、【すする】という表現が蕎麦にはふさわしいと思うのは私だけ？
　無論、蕎麦汁も二、三杯飲みますよん。
　これで、日本酒と一緒にちびちびやれたら、池波正太郎ごっこが出来るのですが、車で来たし、お酒も飲めないクチなので、残念ながら出来ませぬ（泣）。