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「だいちゃん、」
「もういいよ…。もう、いい。」
俯いてぽつりと言葉を出すだいちゃん。
ねぇ、なにがもういいなの?
「ねぇ、どうしたの?」
「もう、やめる。もうやまだのところになんて帰ってこない。こんな関係、もう終わり。」
「…………そう、残念。」
―「もういやだ」って思っていたんなら
―それでも僕はいいけど
「だから、」
顔を上げただいちゃん
「今日で、さよなら…っ」
瞳一杯にたまった涙
そんなだいちゃんをみた瞬間、俺の胸が今まで味わったことないほどキツく痛んだ。
なんで、泣くの。
もうやだってだいちゃんが思っていたなら、俺はそのだいちゃんの意志に従うのに。
もうやだって、さよならって言ったのは、だいちゃんなのに。
―「さよなら」って言ったのは君なのに
―何で泣いたの?
走って立ち去るだいちゃんの背中を見送る。
きっとだいちゃんは戻ってくる。きっとだいちゃんは俺のところへ帰ってくる。
当たり前だよ、俺もだいちゃんを愛してる、だいちゃんも俺を愛してる。
きっと戻ってくるよね?
いや、絶対戻ってくる。
だからさ、
―帰ってきたら起こしてね
―もし「断わる」って言われたらどうしよう
―泣けばいいのかな?
―死ねばいいのかな?
―それともおかしくなって
―飛べばいいのかな?
―もういっそ
―自分にキスして
―ドンマイって言ってあげようか
俺は少し眠って待ってるよ
だから、だからさだいちゃん、
はやく戻ってきて、起こしてよね。
待ってるから、だいちゃんが俺のところへ帰ってくるのを
そして帰ってきたら、さっきみたいな顔しないで、いつもみたいに笑ってよね。
笑って元気に俺の名前をよんでよ。
それまで俺はいつまでも待つから。
―帰ってきたら起こしてね
―ここで君を待ってるから
―帰ってきたら元気にしてよね
―それまでこの歌を守ってるから
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