バカみたいに/やまあり

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――――――――――― メンバーみんなで仕事をするときはいつも山田と帰るのがおれの日課。 家が近いってわけじゃないけど山田が家までおくってくれる。それがいつも嬉しくて、楽しみだったりするおれは所詮山田に惚れている。 そして今日は久しぶりにメンバーみんなでの雑誌の撮影。おれは今日も山田と帰る気満々でうかれていた。 「やまだ、帰ろー?」 いつものようにそう山田に声をかけた。心なしかその声ですらはずんでいる気がして、言ってからちょっと恥ずかしくなる。 そんな俺にかばんの整理をしていた山田はちらっと一瞬だけ視線ををうつしたが、すぐにかばんに目を戻してがさごそ整理を再開させた。 「ああ、ごめん今日は先に帰って?」 え、と声がもれた。 あまりにも山田の態度がつめたくてそっけなくて。 「え、いっしょに帰れないの?」 「うん。今日ちょっと用事あるから。」 そう言うと山田はまとめおえた荷物をもって じゃ、と軽快に楽屋をでていった。 それを最後まで見届け立ち竦むおれはいわゆる、ぽつーん、だ。 「やま、だー…」 がくっと肩がさがる。 気づけば楽屋にはもう俺しかいない。 しょうがないから1人で帰ろう…。そう思いため息をつきながら自分の荷物をかたにかけた。 「…だいちゃん?」 そう、荷物をかたにかけた、と同時に楽屋に誰かが入ってきた。 一瞬山田かと期待したがそんなわけもなく、振り返った俺の目にその人がうつる。 「いのちゃん…。」  
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