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朝。
昨日、娘のお腹を陣取った猫の姿は見えず、静かだったので、
――あ、出て行った。やっぱり、野良だった
―あの温もり、よかったなあ。と布団の中、あたしの足に寄っかかった感触を思う。
トイレに行くと、
うわ。――まだ居た。
ヌッと出てきた猫はびっくりしているあたしと一緒にトイレに入った。
え? 猫ってこんなもん?もっとクールなものじゃなかった?
猫は平然とトイレマットで爪とぎだ。
え?え?
あたしの中の猫は自由奔放、人間なんかお構い無し、
逆に人間の方が心配と不安を諦めながらいるか、飼い主の前で死なないから、気楽だからもし飼うなら猫、という飼い主しか知らなかった。
だから、そもそも来たこともない他人の家に、長居をしているのが信じられず、そのうち出て行くさぁと高を括っていたのだが――
猫は、ずっと眠っている。
娘が学校に行った後の布団の上で。
その姿が可愛くて隣に横になると体をスリ寄せ、眠った。
これは、飼い猫だ。親を捜さなきゃ。
急がないと情が移る――
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