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僕の住む町には、アンパンマンと呼ばれるおじさんが住んでいた。
顔がパンパンでほっぺたは真っ赤。
パンパースを履いてマントも付けてた。
お母さんからは近付いたらダメだと言われていたが、僕はアンパンマンおじさんに近付いた。
近くで見ると本当にアンパンマン見たいな顔だ。
「ぐぅー」
僕のお腹が鳴った。
「坊やお腹がすいてるのかい?」
アンパンマンおじさんはそう言うと、自らの顔を引きちぎり、「お食べ」と言って、引きちぎった顔を僕に手渡した。
「いらない!!」
僕は断った。
だってそうだろう。
ビチョビチョに血が付いた肉片なんか食べられたもんじゃない。
おじさんは苦しみながら、僕の前で生き絶えた。
こうして僕の町からアンパンマンは居なくなった……
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