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―その日の夕方
サ「専務、それでは、私はこれで失礼致します。」
洋「お疲れ様。」
サ「あまり遅くならないでくださいね?」
洋「分かってる。早く戻るよ。」
サクラが背中を向けて数歩進む。
洋「サクラ!!」
呼びとめてしまった。
これ以上、不安にさせちゃいけないのに…
サ「洋平さん…何があるか分からないけど、私、信じてます。」
洋「何か不安なんだ。何か胸騒ぎするんだ。ただ、それだけ。何かが起こる保障はないから。心配かけてごめん。」
サ「ううん。大丈夫。でも、待ってるね。」
洋「あぁ、分かった。迎えを用意させてるから。車で帰っておいて。それから、俺が帰るまでの間、メイドに居てもらう様に話してる。話し相手になってもらったらいい。」
サ「そんな事までしてもらわなくても…!!」
洋「俺がしたいんだ。俺は、サクラを守ると約束した。何かあったら、嘘をつく事になる。」
サ「そう、洋平さんは、そういう優しいひとよね…本当にありがとう。」
洋「サクラ…愛してる。」
サ「やめてよ、永遠に別れるわけじゃないんだから!」
洋「はは、そうだな。」
サ「それじゃあね?」
洋「帰って寝といて。襲うから(笑)」
サ「待ってます(笑)」
サクラの背中を見送り、気合いを入れる。
洋「よし!行くか!!」
俺は【川崎 隆之】という男性の秘書を念のために連れていく。
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