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あの、一番辛かった日々。
両親を亡くしたすぐの日々。
毎日、社に閉じこもっていた日々。
そんなある日、締まったカーテンの隙間から、部屋の隅っこにうずくまっている私を覗き込む瞳を見た。
突如として現れた4人の女の子達が、私に手を差し伸べてくれた。
「強敵があらわれましてね、じょりょくしてくれる方をさがしていました」
「なんで…わたしを?」
「あなたの力がひつようだからですよ」
「………」
「あなたのお名前は?」
「こちや…さなえ」
「ふふ、では参りましょうか、さなえさん」
その強い一言一言に促され、私はその子の手を取り、立ち上がった。
そのまま勢い良く駆け出して、足を取られそうになるも、こちらに笑顔を向けて私を引っ張る。
「あの、あなたたちは!?」
必死に付いていきながら、それだけ尋ねる。
「わたしたちですか? 悪をせいばいする正義の味方、ひとよんで―――」
意気揚々と笑みを見せ、名乗った。
「―――リトルバスターズです」
敵というのは、近所の軒下に出来た蜂の巣だった。
私達は、神社の物置から取り出したお祓い棒や竹箒を手にして戦ったが、全く成す術が無く、怒りを買うだけでことごとく返り討ちに合った。
開始早々に衣玖さんが力を溜めて前ハイスラしたから多分リアルでビビッたんでしょうね、、ガード固めてたから衣玖さんはキャンセルしてカカッっとバックステッポで逃げてくると巣の周りが黒く見えてくる程の数が出て来て私達は青ざめてた
挫け掛けた私達だったけど、唐突に天子が上着を脱ぎ(なぜかは今でも分からない)陽動用のハチミツを素肌にべったりと塗り…。
「もう脱ぐのか!」
「はやい! きた! メイン盾きた!」
「これで勝つる!」
順に衣玖さん、輝夜さん、妹紅さんが歓声を上げる。
「グランドヴァイパでトドメさすよ」
その応援を背中に受けて、仲間達に親指を突き上げて宣言した後、MOBを挑発しながら果敢に敵陣に突っ込んでいった。
当然のように蜂に群がられる天子。
「おい、やめろばか このさくせんははやくも終了ですね」
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