5月14日(月) 昼

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授業も終わり放課後となる。 「やっと終わったぁ…」 今朝のドタバタがあったり、全ての授業後に黒板消しを手伝ったりで(天子も渋々ながらやっていた)、疲れを感じて机に突っ伏す。 「授業受けるだけでへばってんの? 体力無いわねぇ」 「輝夜さんはもう内申捨ててますからいいですよねー、1969年7月20日にあった出来事、"地上人が月面侵略"って、すごいなー憧れちゃうなー」 「え? どこも間違っちゃいないでしょーよ」 何だろう、微妙に回答が違うだけなのに、とてつもなく脚色が入ったような現実離れした出来事になってしまっている。 その直後に担任の永琳先生が血相を変えて輝夜さんを廊下に立たせたため、そのシュールさがまたクラスの笑いを呼んだ。 永琳先生の唖然とした顔は、しばらく忘れられそうにない。 「で、今日は、これから何すんのかしらね?」 輝夜さんが私に目を合わせて尋ねてくると、朝の衣玖さんの提案を思い出した。 「…野球ですよね?」 「とにかく、衣玖さんをお迎えに行きましょうか。 天子、もこたんっ」 既に半分ぐらいの生徒がいない教室内を見渡したところ、天子は見つかったが、妹紅さんの姿は無かった。 「まぁ、妹紅さんがそんなもののために待つわけもなく」 「まーね。とりあえず天子確保」 輝夜さんが、鞄を抱き締めて佇む天子の肩を掴む。 「さすが私は光属性のリアルモンク属性だから一目置かれる存在Pスキルも高く何度も見詰められてPTでも引っぱりだこね ヒュム♀とエル♀からフレ登録要求がいちじき凄かったのは事実一級プレイヤーはフレがフレを呼ぶ(暴風) PT組んでもいつも♀から登録要請が来る困る(泣)」 「…じゃ、参りましょうか」 少し気取ったような台詞ではあったが、輝夜さんのテンションが下がったのは確定的に明らか。 何というか"呼ぶんじゃなかった"と、恐らくそんな雰囲気のまま、私達は三階へと向かった。
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