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:……とりあえずインディカ米の具合を見に行ってみるか。
そういえばあのもみあげ爺さん、俺の中に眠っている力を呼び覚ます鍵だとか言ってたけど……。
いったい俺にどんな能力が眠っているんだろうか?
そんな思考を巡らせているうちに今は炊飯器の目の前いる。
「……さて、勝手に炊いちゃったけど大丈夫だったかな?」
今更だがちょっと心配になってきた……。
そんな事を考え出した次の瞬間、目の前の炊飯器の蓋が勢い良く吹き飛んだ。
「なっ、なんだ!?」
蓋がぶっ飛んだ炊飯器からは異様なまでの湯気が立ちこめている。
俺が炊飯器の前に立ち尽くしていると突然後から声がした。
「無洗米を磨いで炊いたからそうなったんじゃ。」
「うおっ!?もみあげジジイ!!」
もみあげ爺さん再臨。
突然現われるから焦る……。
「誰がもみあげジジイじゃ!!
……まあよい、そんな事よりインディカ米じゃ。
おそらくその米ではお主の中に眠っている力を呼び覚ますには不十分かもしれぬ……。」
なん、だと?
「無洗米だったのかよ!?
そういう事は先に言え!!」
突っ込みを入れる俺を宥めつつみあげ爺さんは続けた。
「そう騒ぐな……。
しかし、やってみなければまだわからぬぞ?」
そういうともみあげ爺さんは茶碗にインディカ米をよそい溶き卵をかけて、差し出してきた。
食えという事だろうか……。
俺は茶碗を受け取ると恐る恐るインディカ米を食べた…………。
……あれ?
何も起きないぞ?
とりあえずもみあげ爺さんに問う。
「変化がわからないんだが……。」
「何を言っておる?
そこの鏡で己をよく見てみよ。」
もみあげ爺さんはニヤニヤしながら鏡を指差す。
「はい?…………ッ!!」
こッ、これは一体……。
鏡に映った俺の背中には立派な翼がついていたのだった……。
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