*これはとある港町に住む高校生達のちょっとした暇潰しから

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~「それに触れてはいかん!!!」 思い出に浸りつつ伸ばした手は、突如現れた老人によって弾かれた。 禿げ上がった頭頂部にミスマッチな、膝まで垂れ下がった白髪のもみ上げが特徴的なその老人は、箱の中身について重々しい口調で語り始めた。 :「それはかつて世界を破滅の危機から救った英雄。 "リアー・フロント"の記憶の断片を結晶化したものじゃ。」 「そのリアなんたらさんとこの俺に一体何の関係があるんだよ!?」 その爺さんは一瞬考える素振りを見せたあと、俺の肩に手を置き、神妙な面持ちで再び喋りだした。 「……実はおぬしは英雄、リアー・フロントの生まれ変わりなんじゃよ。 そして今、世界はまたも破滅の危機に瀕しているのじゃ。 その危機から世界を救えるのは英雄の生まれ変わりである後田前田、お主ただ一人なんじゃよ。」 「はい?」 いきなり何を言いだすんだこの爺さんは……!? 「ちょっと待ってくれ!! 俺には世界を救うとかそんな大それた事できるだけの能力なんて……。」 ……ないに決まってる。 俺はごく普通の何処にでもいそうなおとこm……高校生だぞ? 「いや、お主には英雄の。 "あの力"が眠っておる!!」 そう言うと揉み上げ爺さんは俺から大量の段ボールに視線を移した。 +老人はダンボールの一つに近寄り ガムテープを勢い良く剥がし 中に手を突っ込んだ。 「よく聞け後継者よ! これが貴様が英雄より受け継ぎし力!」 老人が中身を引き抜いた瞬間 ダンボールから飛び出したそれは 様々な色に輝き、やがて共鳴するように他のダンボールも光を放った。 老人が手に持ったそれを俺に手渡しながら言い放つ。 「受けとれえぇ!新たなる英雄よ!!」 受け取ったそれに光が集束し、収まったころ、ハッキリとそれは姿を現した。 「これは………まさか………! インディカ米?」
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