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トン……
トトン…
窓の向こうから叩く大粒の雨音に合わせて、机を指で弾いてリズムを取る。
トトトトン…
トントン
大郷小鳥遊(オオサトタカナシ)はその音を聴きながら、本を広げてボンヤリと外を眺めていた。
肌に纏う空気は湿気が濃く、ベタベタとする。
(頭……いてぇ…)
この時期はどうも頭痛が頻発していけない。
時々痛くなる頭のこめかみ付近を軽く指でさすりながら、ソッと長い睫毛を伏せた。
トトトトトトン…
トントントトン…
ああ
耳障りなこの木を叩く乾いた音。
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