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「……さっきから何してるの?」
小鳥遊は儚げなさの漂う笑みを浮かべて、ソッと隣の席を見る。
「……暇潰し」
小鳥遊の席の隣…倉田初春(クラタハツハル)は眠たげな目を窓に向け、机に指を上下させてさっきからずっとリズムをとっている。
イラッ…
小鳥遊はあからさまに表情を崩す事は無かったが、そのささいな小鳥遊の表情を倉田初春は見抜く。
「……なに読んでんの?」
倉田初春はリズムをとるのをやめ、小鳥遊の本へと興味を示す。
「……『われわれはみんな大悪党だ。男など誰も信じちゃいけない』」
小鳥遊はソッと本を倉田初春に向けて、タイトルを見せた。
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