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よく悪い事には前触れがあるっていうけれど、その日の私は全く何も感じていなかった。
いつものように休日に職場へ行き三ヶ月後にせまった自分の結婚式の打ち合わせをして、その後ウィンドーショッピングをしながらファミレスに入って婚約者を待っていた。
婚約者の吉田くんとは交際歴三年で、私がまだ二年目のかけだしのウエディングプランナーとして訪問した結婚式場で彼が働いていた。
人気の式場だったせいと二人共新人で同じ大学出身だったこともあり、仲が深まるのに時間はかからなかった。
そして交際三年目を迎えお互い仕事も慣れて来て、半年前とうとうプロポーズされた。
私はもう幸せの絶頂だった。
自分が描いてた理想の人生がそのまま現れたような現実に夢中になった。
――油断したのである。
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