プロローグ

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一つ、お話をしよう。 舞台は、日本のとある都会の病院から始まる。 そこで、同じ日に二人の子供が産まれました。 その片方の子は、小さく泣く女の子。 元気はあまりありません。 ですが、片方の赤ん坊は男の子でしたが、泣きも、身動き一つもしませんでした。 両親や医者は最悪を考えました。 しかし、その子は小さく息をしています。 泣きもせず、動作もせず、ただひたすらに小さく消えそうに息をしているだけでした。 もちろん、心臓から脳、全身に障害など一つもありません。 片方の女の子は、元気こそないものの、順調に育っていきました。 その中、この男の子だけが、眠ったまま起きません。 目を開かないのです。 それに動作も、うめき声すらも。 それでいて、その子は健康そのものの身体でした。 医者は悩みます。 栄養すらとっていないはずのこの子は、片方の女の子のようにすくすく育ってゆくのです。 植物状態のこの子は、このまま育ってゆくのでした。 その男の子を見た両親とは、いつしか連絡が取れなくなったそうです。 この子は、捨てられたのです。 ある日、高校生になった片方の女の子は、その男の子に会いに行きました。 ですが、彼女は一人です。 両親は、事故で亡くしていたのです。 彼女は、彼の近くでそっと手を握りました。 すると、どうでしょう。 目も開かなかった男の子は、目を開いたのです。 みんな驚きました。 同じ日に、同じ場所で産まれな子供が会った時、奇跡は起こったのです。
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