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『えー、ニュースです。近頃、日本各地の火山が活発してお-』
六畳の和室の端に、申し訳なさそうに置かれた小型のテレビの電源が切られた。
この部屋の主である、蜂須賀 義八の仕業である。
「最近火山ばっかだな」
身長は約170。痩せ型で、しょうゆ顔だが目は二重の青年、義八がそう、呟いた。
上下とも黒いジャージ。オシャレのつもりか緑のサイバーチックなラインが走っている。
彼は思いたったように立ち上がり、部屋の真ん中に置かれた机の上に鎮座するデスクトップPCを起動した。
「……量が多いからな……課題コツコツ潰さないと……」
義八はさも大儀そうに、生あくびを噛み殺しつつ、マウスを動かしたり、カチャカチャとキーボードを打ったりし始めた。
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