取り敢えず二次元に還れ。

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「あれ、ダークあんな所に。助けて。」 近所の家の屋根の上に立っていたダークに手を伸ばしたが、 「…。」 私の足を掴んでいる小人に思いっきり牙を向けていた。 「あかーん!ダークさんあかーん!」 殺しちゃ駄目だろ! 封印しなきゃなんだろ! しかし、何もできなくて頭を抱えていると、足を掴む力が段々強くなってきた。 「ちょっ…!スウェットに穴開く!」 「そっちかよ!」 「ほら!そんな所で漫才してないで早く杖を出しなさい。」 「「漫才してねぇよ!」」 それに、杖を出せと言われても…! 首のチョーカーに手をやると、急に黒く光出した。 「…!」 「キキッ!」 小人は私から手を離し、数歩下がった。 そして、私の手には 持ち手が黒く、先には月と十字架の飾り(?)のある“杖”があった。 「…ロッドじゃね?あ、でも長さとか大きさは杖か。」 あ、魔法使えるのか? ファイアとか、ブリザドとか。 …叫ぶ自信がない。 未だに目を瞑ってしゃがみこんでいる小人に振り上げて、一発殴った。 ドガッ! 「キキッ!」 小人はそのままその場に倒れ込んでしまった。 「…やってしまった。否、殺ってしまった。」 相手は悪魔だが、殺人にかわりない。 いや、殺悪魔? 「…すごいですね。悪魔相手に一発。」 すっと私の隣に現れたブラン。 ダークも私の隣にきた。 「ふ、まさか殴るとはな。」 「…で、どうする?…山に埋める?」 「何故そうなった。」 「はいはい、では、右手首にてをやって。」 ブランに言われた通りに、右手首に手をやると、暖かい光が出た。 すると、手に一枚のカードが出てきた。 タロットカードの様な形で、裏には太陽と月の絵がある。 「で、これをどうするの?」 「ゴブリン…。この小人にかざしてください。」 あ、やっぱりゴブリンだったんだ。 そう思いながら、ゴブリンにカードをかざすと、ゴブリンが煙の様になり、カードの中に入っていった。 「…おぉー。」 「はい、これで完了です。」 さっきまでは何もなかった絵にはさっきのゴブリンが描かれている。 「ま、このようにどんどん封印していってください。」 ブラン人任せすぎるだろ。
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