取り敢えず二次元に還れ。

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「…前世の私を知っているんですか?」 「あぁ、知っているとも。」 「…じゃあ、質問です。」 「“何で彼氏の病気を直してあげなかったんですか?”…かい?」 「分かってて直さなかったんだ。」 もう面倒だ。 敬語なんてどうでもいい。 つか人じゃないしね。 「…僕はね、“神様”じゃないんだ。ただ、天使で一番偉いだけなんだ。…人の寿命は変えられない。」 「…つまり、彼氏さんはあの病気で死ぬのが“寿命”だと?」 「そういうこと。サタンは結構人に優しい所があるからね。直してあげちゃったんだよ。…無意味だったけど。」 あ、次の展開分かるかもしれない。 「私の前世の人が自らの命と引き換えに死んでしまったから、その人は悲しみで自殺してしまった…と。」 「わあ、物分かりがいいね。」 ミカエルは無邪気な笑顔で拍手をしている。 「…私からすれば、サタンの方が天使の様に見えるな。」 「…君それ無意識に言ってる?」 ミカエルが急に真面目な顔をしだしたので、一歩下がってしまった。 それに気付いたミカエルは、また笑みを浮かべた。 「あぁ、ごめんごめん。サタンは元々天使だから。」 「…は?そうなの?」 「うん。サタンは僕以上の力を持っていたんだ。でね、この力で神に勝てるのではないか、と考え始めたんだ。…でもね、結局勝敗は神様の勝ち。サタンは罰として、地獄に落とされてしまったんだ。力の半分を取られて。」 「へぇー。」 そんな話があったんだ。 「だから、僕とサタンが交流あっても可笑しくないし、サタンが君の前世の人と契約したのを僕の使い魔が伝えてくれたから知っていた…て訳。理解できた?…あ、僕の前では話し難いって言ったのは、彼は僕が知らないと思っていたから。まぁばれてるだろうけどね。はは!」 「…。」 よく喋るなー。 クラスにはいるよね、こういう人が一人ぐらい。 「あ、なんかごめんね。一人でベラベラ話しちゃって。」 「いやいや。気にしてないんで。」 つか、半分聞いてなかった。 「ま、簡単に言えば、これから頑張れ!」 笑顔で話し終わると、黒奈をトンっと押した。 倒れないように、踏ん張ろうかと思ったが。 「…地面が、」 無い ――――… 「…はぁ!」 …夢か。 しかし、ベッドの横のクッションに寝ている狼と猫を見て、夢ではないと確信した。 ー二次元へ還れー (…これが現実。)
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