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夢の見すぎはご用心。
「…。」
「ほら、いつまでも寝てないで。学校に遅刻しますよ?」
「…(ねみぃ。)」
…私はまだ夢を見ているのだろうか。
何故か腹部に重力を感じ、起きてみると小さな狼がいた。
そして物音のする方を見ると、これまた小さな猫が私のバッグをベッドの近くに引っ張ってきた。
「…誰?」
「おい。俺ら来てから三日目だぞ。脳細胞死んでんじゃねーか。」
「ダーク、失礼ですよ。…本当の事を言って。」
「「そんなお前が一番酷い。」」
あぁ、そうだった。
なんかどーちゃらこーちゃらあって悪魔とか天使を封印するんだった。
「…三日か。」
「三日間何も無かったもんな。」
「普通のアニメ的展開だったら一日一体だもんね。」
「何ですか。その一日一膳的なノリ。」
「…まぁ、体動かすのが嫌いな私にはこれぐらいが丁度良い。」
おまけで体育3貰ってるからな。
クローゼットから制服を取り出し着替えていると、ノック無しに扉が開いた。
「おい、馬鹿妹!朝m「ノックしろやぁぁ!!」…ってぇな!クッション投げつけんなや!」
「うるっせぇな!変態!馬鹿兄!」
「別にお前の体見てもなんとも思わねえよ。」
「それはそれでムカつく!」
あぁ!忌々しき蒼斗兄さんめ!
「で、何の用?」
「だぁから。朝飯。」
「了解した。さっさと出ろ。」
「言われなくたって出るわ!」
思いっきりドアを閉めたら、
そのままどかどかと階段を降りていった。
階段から転げ落ちろぉぉ!!
「…行ったか。」
「…はぁ、ノックをするように言ってください。」
「言い聞かせた結果があれだよ。すまんね、学習能力の無い兄で。」
もう片方に知性を全て持っていかれたらしい。
「…にしても、人形の振り上手くなったね。」
「…誉めてんのか?けなしてんのか?」
「仕方ありませんよ。最初は少し震えていましたから。」
「そうだね。…よし。」
制服に着替え終え、バッグを
持って下に降りた。
――――…
「おはよう憎たらしい妹よ。」
「おはよう憎たらしい兄よ。」
「やめなさい二人共!…おはよう黒奈。」
「黒奈、おはよう。…朝から口が悪いね。」
テーブルにはこんがり焼かれたトーストがあった。
バッグを自分の椅子の横に置き、静かに「いただきます」と呟いて、一口かじった。
うん、美味い。
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