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「てか弓道かー。」
「オケ部かバスケ部かと思ったー。」
そんな話題で私達の周りが賑やかになる。
ちらりと隣を見ればレイくんが何か考え込んでいる。
その顔は真剣で、影が落ちている。
「具合悪い?周り煩い?」
皆に気付かれないように小声で話す。
てかなんでこんな気遣いしなければならないんだ。
あ、隣だからか。
「…大丈夫。」
なにその間。
五時間目が始まった。
大谷先生の授業だ。
だが何かおかしい。
普段は皆やる気満々で必死にノートをとる。
でも今は皆机に伏している。
高熱出しても大谷先生の授業に出る私の前の席の男子。でしゃばり男高橋ですら寝てる。
起きているのは私と隣のレイくんだけ。
大谷先生も不信がっていると思ったら…。
「…。」
教卓に伏してしまった。
…ん?
「え…先生!?」
不謹慎だが席を立ち、教卓に駆け寄る。
揺すっても叩いても起きない。
他の奴らも起きない。
「…どうなってんの?」
そう言えばレイくんは、と思い振り返ると
居ない
「…何処行った。」
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