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「いずれは誰かがやらなきゃならない事だ。それに、今の俺達の練度なら問題はない。誰一人として欠けることなく終戦を迎えられるはずだ」
葉山の返事を聞いて少し不安そうになった綾先の顔を見て、フォローをいれた。
「そうですよね!私達なら大丈夫ですよね!」
「ああ」
綾先は、葉山の自信有り気な言葉を聞いて元気を取り戻していた。
食堂は夕飯時なのでそれなりに混雑していた。しかし、小隊ごとに席は決まっているので、葉山と綾先は夕食のコロッケを貰うと席に着いた。
「遅かったな、葉山。危うく飯に間に合わなくなっちまところだったぞ」
席に座ると右隣の男が話しかけてきた。釜矢健吾、46歳の筋肉質なマッチョの先任陸曹である。豊富な知識と経験、ノウハウを持っていて、隊からの信頼も厚い隊員だ。葉山も意見を求めるなど、ご意見番の様な立場であり、213部隊の副隊長である。
「間に合って良かったですね、隊長!間に合わなかったら私が隊長と綾先さんの分も食べちゃおうかと思ってましたから、少し残念な気もしますけど…」
斜め左前に座っている食いしん坊な20歳の女性兵士は稲山由梨といい、18歳でレンジャー、19歳で空挺部隊のバッチを手に入
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