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「そういえば、高浜がいないが、どうかしたのか?」
周りを見回して、自分の隊員が一人いないことに気付いた葉山が聞いた。
「あぁ、高浜はさっきの演習中に、砲塔安定サスの調子が悪いから調整するって言ってた。そういや、まだ帰ってきてないな」
釜矢が爪楊枝でスースーしながら答えた。
「やった!まだ食べられる夕食が残ってた!」
話を聞いた稲山は目をキラキラし始めた。この状態のの稲山に食事を取られた隊員、数えきれず。
((早く帰ってこい、高浜!!夕飯がピンチだ!))
隊員全員に同じ気持ちが表れる。基地の飯は基本的に量が少なめなので、空腹時、特に訓練後等は物足りない。そんななけなしの飯でも、もし食べれなかったら、翌朝まで限界我慢状態なのだ。
「さぁ~て、貰ってこよお!」
((あ~あ、間に合わなかった…))
稲山がstand upした辺りで諦めムードが漂う。
(ご愁傷様、高浜…)
葉山も自分の飯を食べながら、これから空腹地獄を味わう高浜にご冥福を祈った。…が。
「お前に、飯は、渡さねぇ!!!」
稲山が高浜の夕飯を取りに行こうとした矢先、扉を開いて、高浜が現れた。
「ま、間に合ってしまったんですかぁ!?」
高浜の姿を見た稲山が、
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