火種

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がっくりとうなだれる。 「俺の飯を奪おうなど十年早い!出直してきやがれ!!」  高浜将哉、28歳。精神年齢はおそらく10歳くらいと予測できる。213部隊の戦車長で、車両の運用、整備を手掛ける。髪は少し長めで、俗に言う、チャラ男。  稲山に夕食を奪われなかった高浜は得意げになってカウンターに食事を取りに行く。 「おばちゃん、俺の飯宜しく」 配給のオバサンに夕食を頼んだ、が。 「何言ってんだい。もうとっくの昔に配給時間は過ぎでしょ。もう片付けちゃったよ」 「…へ?嘘?今何時?」「6時45分。15分もオーバーしてんのよ」 「じゃあ、まさか今日は夕飯抜き!?」 「そういうこと。明日の朝まで我慢しな」 「おわぁぁぁ!!嘘だろぉぉぉ!!」  高浜に突きつけられた厳しい現実。  食堂中にどっと笑いが広がった。夕食を貰えなかった高浜はカウンターの前で、あまりのショックに崩れ落ちていた。 「相変わらずですね、高浜さん」  葉山の横で綾先が笑いながら言う。 「あぁ。あいつが居ると面白くていい」 「そうですよね!」  ひとしきり笑いが収まったところで、葉山は釜矢に高浜を連れてきてもらい、小隊に明日の連絡と、本日の午後8時に第2会議室に集ま
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