火種

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ただ、それはイスラム文化圏であるからであって、聖戦を掲げている以上、キリスト教ではあり得ないだろうな。従属しても良いこと無しならヨーロッパも手加減無しで全力で戦うだろう」 「どちらかが世界を征服するまで、戦争は続きそうですね…」  話が自然と暗くなる。 「それより、さっき和希が言ってたミーティングは、何すんだ?椅子取りゲーム?」  暗い話題に耐えられなくなったのか、高浜が話題を変えた。 「隊長!椅子取りゲームやるんですかぁ?私、頑張っちゃいますよ!!」 「落ち着け、稲山。お前は、葉山がミーティング室で椅子取りゲームをするような男に見えるか?」  暴走しだした稲山を止める釜矢。 「実は椅子取りゲームをしようと思ってる」 「「ええ!?」」  葉山が真顔で言った。 「ちょっと待て、葉山!お前本当に椅子取りゲームなのか!?」 「あははは!和希が椅子取りゲーム!あははははは!」 「…隊長がおかしくなった」 「隊長?ホントにやるんですか?」 「いやったぁぁ!!楽しみです!やりますよ、勝ちますよ!!」 「ZZZ…」  三者三様のリアクションをとる隊員達。 「いや、冗談だ。…こんなに信じられるとは思ってもみなかった」 「葉山の冗談はキツいな!真顔と真剣な声で言うもんだから、信じちまった」 「なんだ、冗談ですかぁ…」  落ち着きを取り戻した四人と、落胆する一人。 「で、実際なにすんだ?」  高浜が聞き直した。 「あぁ、実はな…」  葉山が言いかけたところで、綾先が時計をみて告げる。 「そろそろ時間ですよ、隊長」 「そうか、分かった。話の続きは後にしよう」 「はいよ。じゃ、行こうか。源ジイ、起きろ!」  高浜は椅子の上で幻想ワールド、通称【源じいの森】から源ジイを呼び戻し、七人は第2会議室へ向かった。 「では、小隊ミーティングを始める」  隊員が敬礼し、返礼した葉山は、横に立っている綾先にプリントを全員に配布してもらう。 「現在、中華人民共和国は我々、日本と交戦状態にある。まだ大きな戦闘は起こっていないが、既に南西諸島周辺では、中国機による戦略爆撃も行われている。そこで、防衛省は以下の決定をした。プリントを見てくれ」  葉山はプリントを見るように指示する。 「読んでもらえれば理解できると思うが、防衛省は迅速な行動ができ、かつ高機動、高火力で以て敵戦力を迎撃、撃破できる遊撃部隊の設立を決定した。規模は一個大隊で、様々な分野の
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