火種

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「つれないこと言わないでくださいよぉ。副官としてちゃんとついて行きます」 「わかった。じゃあついて来い」 「了か~い!」 葉山と綾先はコーヒーを買うのを諦め、司令室へ向かった。 「213部隊隊長、葉山和希三等陸尉、入ります。」 「同じく213部隊、綾先希陸曹、入ります。」  2人は重厚な扉を開けて司令室に入り、敬礼をする。 「訓練が終わった直後にすまんね。」  初老になる基地司令は返答すると、葉巻の火を消した。  司令はなかなかのヘビースモーカーで有名だ。 「少し長話になる。まぁ、あっちのソファーで話をしよう。腰掛けてリラックスして聞いてくれ。」  司令はヒョイっと窓際にあるソファーを指差し、葉山達を座らせた。自分も向かい側に座ると、司令の副官が机の上に書類を十枚程重ねて置いた。 「さて、今、第二次日中戦争が起こっているわけだが、まだこれといった戦いは起きてはいない。だが、中国軍は上海に天津、旅順、大連、青島から兵力を集中させている。必ず大きな戦闘がおこる。そこでだ…」  そこまでいうと、司令は副官の淹れたお茶を一口含み、一枚の書類を抜き取って葉山に渡す。 「そこに書いてあることを読んでもらった方が早いと思うが、防衛省は迅速な行動を可能とする
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