第一章

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  ──…私は今龍馬さんの宿泊している寺田屋にいる。 あの後何もわからないと答えた私に今日は夜も遅いし泊まっていきなさいって武市さんに言われ、今に至るのだ。 「取りあえずでええき、桜花さんがわかっちょる事を教えてもらってええかの?」 龍馬さんと私が向かい合ってその周りに武市さん、中岡くん、以蔵がいる。 「はい。 私は剣道の稽古の帰りで夜暗い道を一人で家に帰宅してました。 帰宅中に急に車が曲がり角から出てきて私衝突したんです。 それから気が付いたら皆さんに会いました…」 そう、私は車に引かれたのだ。 確かに車に引かれて痛かった。 でも今自分の体を見てもどこも怪我もしてないし痛くもない。 「くるま…とは何すか?」 中岡くんが訪ねる。 車も知らないのか…。 「えっと、車って言うのは人が乗って移動するものですね」 「未来にはそんなものもあるんだ?」 中岡くんが不思議そうにぽつりと言った。 『未来』…やっぱりここは私が知ってるところじゃないのかな? .
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