始まりの刻

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ドキドキしながら新聞受けを開いた。中には四枚のチラシ、そして知り合いからの暑中見舞が入っていた。なんだ、変な胸騒ぎは気のせいだったのか。 ところが、公彦は気付いてしまった。チラシとチラシの間に、真っ黒な封筒が挟まっていたのだった。 血の気が引いた。ちょっと気を抜いていたら、もう少しで失神するところだった。 恐る恐る、封筒を手に取ってみた。正直、その場で中身を見る勇気はなかった。手に抱えるほどの紙切れを持ちながら、玄関のドアを開けた。
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