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灰色な中学時代~序章~
誰の人生にもターニングポイントと呼ばれる転換期がある。
今までの生き方を良くも悪くもガラリと変え、新しい生き方へと誘うもの。
だけど、それは5W1H。
どのような形で人生を変えてくれるのか、それは実際に体験してみるまで誰にもわからない。
本当にターニングポイントというものは天邪鬼な存在だと思う。
―――そう、僕こと、鈴宮暦【すずみや こよみ】にとってのターニングポイントは本当に天邪鬼で、厄介で、難儀で、だけど邪険にするほど嫌うこともできない特別なもの。
楽しかったことも、苦しかったことも、泣きだしそうなこともあったけど、出会えて良かったと心の底から思える日々は唐突に訪れたんだ。
その始まりは…………正直思い出したくないけれど、僕という名の今昔物語を紹介するためには語らなければならないだろう。
ターニングポイントとの遭遇は――――彼女との出会いは――――埃とカビの匂いが入り混じった夕暮れの中だった。
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