灰色な中学時代~序章~

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携帯小説と聞くと携帯電話で小説を執筆して、サイトに投稿すると考えている人が多いと思う。 しかし、E☆エブリスタではPCからの小説投稿が可能なサービスが提供されている。 携帯電話でメールや文章を書くのが苦手な僕はもっぱらPCのワードソフトで小説を作成し、サイトへアクセスして日々細々と小説の更新をしている。 「え~~と、何か新着はあるかな?」 サイトのTOPページから自分の執筆ページへ移行すると、運営会社から2件の新着メッセージが届いていた。 まず、一件目。 『黒猫郵便さんがファンになりました』 「あ、またファンが増えている!」 ファンとは文字通り作者の作品に共感や好意を持ってくれた人達のことだ。 ファンになると作者の小説が更新状況や作者からニュース(お知らせ)が受け取れるという特典もあったりする。 また、ファンの人数や小説の閲覧数を元にサイト内で人気ランキングも行っているし、読者の反響が大きい作品に関しては……なんと、書籍化まであるのだ!! まぁ、執筆活動を初めてまだ一ヶ月ほどのド新人な僕には関係のない話だけどね。 ちなみに僕にはファンが11人、いや、今さっき1人増えたから12人いる。 友達は1人もいないくせにファンは10人以上いるという現実を考えるとメゲそうになるけれど、今はそれ以上に新たなファンができたことが喜ばしい。 「え~と、『ファン登録ありがとうございます』と」 お礼の返事を打ちこみ、ほんわかとした気分を味わいながら二件目の新着メッセージの確認をすると、さらに喜ばしいメッセージが届いていた。 『メーテル☆エリさんからメッセージが届きました』 「あ、メーテルさんからだ!」 メーテルさんは初めてできた僕のファンであり、他のファンの人たちとは少しだけ違った距離感でやりとりをしていた。
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