灰色な中学時代~序章~

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過去の災厄から僕を救ってくれた偉大で、尊敬すべき人。 僕の姉さんでなければ、間違いなく惚れていただろう。 まぁ、ただ一点だけ欠点をあげるとするならば、あだ名のセンスが致命的に終わっていることだろう。 先程から姉さんが僕のことを『可憐ちゃん』と呼ぶのも、もちろんあだ名だ。 あだ名の由来。 それは僕こと、鈴宮暦の名前に由来している。 文字通り、僕の名前である暦とは大昔の年月、月日のことを示している。 感の良い人ならもう把握したと思うけれど、暦という単語の意味を知った姉さんの頭の中では以下のような公式が生まれてしまった。 暦=年月を表すもの=カレンダー=カレン=可憐ちゃん♪ …………わかっています。 わかっているから、改めて突っ込みをいれるのは許して下さい。 姉さんに代わって弟である僕が土下座をするので、どうか姉さんの致命的に終わっているあだ名センスに突っ込みを入れないで下さい。 「むむむ、どうして可憐ちゃんは土下座をしているんだい?」 「いや、僕にもよくわからないんだけど、姉さんの名誉のためにも僕は土下座をしなきゃいけない気がしたんだ」 「はぅ!? あっしのために土下座を……あぁ……愛しているぜ可憐ちゃ~~ん♪」 明後日の方向に土下座をしていた僕を押し倒しながら姉さんは抱き枕の要領で僕にしがみついてきた。
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