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密着されると、姉さんの匂いが鼻腔を刺激する。
香水でも、シャンプーの匂いでもない。
幼い頃から知っている僕の姉さんだけが持つ柔らかくて、温かくていつまでも包まれていたい香り。
「……姉さん、今日は一緒に寝る?」
「マジっすか!? 寝ます、うひょぉーー御姉様のテンションは最高潮だぜ!! あ、ヤベ、鼻血が……」
ぶわっと冗談ではなく、本気で鼻血を垂らす御姉様に苦笑と共にティッシュを渡すと、姉さんは躊躇することなく、鼻血を垂らす鼻の穴にティッシュをねじ込んだ。
うん、せっかくの美貌が台無しだね。
「まったくよく言うよ。 ちゃっかり枕を持参して来たの知っているんだからね」
「ありゃりゃ、バレてた?」
こっそりと人様のベッドの下に隠していた枕を取り出すと、てへへと八重歯を見せながら姉さんは笑う。
ああ、姉さんって本当に可愛いな……うぅ、何で姉さんは僕の姉さん何だろう?
血の繋がりが憎い……本気で惚れちゃいそうだよ。
あーー駄目駄目、深く考えると、変な気分になりそうだから話を戻そう!
「おほんっ、言っておくけど今日は特別だからね。 週三日の約束は継続だよ?」
「ガガーーン!!」
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