灰色な中学時代~序章~

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あ~~うぅ~~やめやめ!! 一人朝から自嘲するのは精神衛生上、非常によろしくない。 今日も今日とて、日々変わらない平坦過ぎるほど平坦な日々が幕を開けたのだから、僕は僕でいつもの日課に勤しむべきだろう。 いつもの日課。 それは当然ながら小説を執筆すること。 前向きに捉えるなら、一人ポツンと残された僕に興味を持つ人間なんてこのクラスにいないのだから、集中して小説の執筆をすることができるのだ。 うん、実に有意義な時間の使い方だ! クラスメイトと雑談するよりも、よっぽど有益さ! 卑屈さがにじみ出ている気がするけど、なんとか自分自身を鼓舞してやる気を彷彿させた僕は早速鞄からノートを取り出した――のだが、 「あれ?」 小説のプロット書き綴っている大学ノートの中身は昨日と引き続き白紙のまま。 それは別段問題ない。 問題はノートのページを遡っても文字は一切見つからず、新品ばりに白紙であること。
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