天使P

6/7
前へ
/7ページ
次へ
えーっと、これは人助けって事になるのかな? ……んまぁ、どうでもいいや。損害は多分無いし。 ……さて、ここに居るのも変だし、帰るか。 ということで帰ります。 「あ、えと、ちょっと待ってて下さい。何かお礼を…」 いやぁ、いいですよ。何か申し訳ないし。儲けの無いと分かっている人から何かを貰おうとは思いませんよ。 「でも…」 彼女は申し訳なさそうに眉を下げた。そう言われても…。 ふと見ると、俺は手に小さな花束を持っていた。カラフルで明るい可愛らしい花束。あぁ、 「これでいい」 「はい?」 「13万相当ということで」 俺が笑って見せると、彼女も理解して笑った。まぁ、いいか。たまにはいい事をしたという事で。 「またいらして下さいね」 帰ろうとするとそんな事を言われた。 「……」 「あの?どうかしましたか?」 いやぁ、…まぁ、言わない方がいいか。 仕事柄全くそんな言葉は久しぶりだったから驚いただけ、なんてさ。 何でもないですよ。 「そうですね、また」 綺麗な金が入ったらね。 「はい」 どうも苦手な綺麗な顔がニッコリ笑って手を振っている姿から、だらだらと逃げるように振り返りながら考えていた。 そうねぇ、もうちょっと積極的な生き方しても不幸にはならないかもね。 ……なんて。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加