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えーっと、これは人助けって事になるのかな?
……んまぁ、どうでもいいや。損害は多分無いし。
……さて、ここに居るのも変だし、帰るか。
ということで帰ります。
「あ、えと、ちょっと待ってて下さい。何かお礼を…」
いやぁ、いいですよ。何か申し訳ないし。儲けの無いと分かっている人から何かを貰おうとは思いませんよ。
「でも…」
彼女は申し訳なさそうに眉を下げた。そう言われても…。
ふと見ると、俺は手に小さな花束を持っていた。カラフルで明るい可愛らしい花束。あぁ、
「これでいい」
「はい?」
「13万相当ということで」
俺が笑って見せると、彼女も理解して笑った。まぁ、いいか。たまにはいい事をしたという事で。
「またいらして下さいね」
帰ろうとするとそんな事を言われた。
「……」
「あの?どうかしましたか?」
いやぁ、…まぁ、言わない方がいいか。
仕事柄全くそんな言葉は久しぶりだったから驚いただけ、なんてさ。
何でもないですよ。
「そうですね、また」
綺麗な金が入ったらね。
「はい」
どうも苦手な綺麗な顔がニッコリ笑って手を振っている姿から、だらだらと逃げるように振り返りながら考えていた。
そうねぇ、もうちょっと積極的な生き方しても不幸にはならないかもね。
……なんて。
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