出会い

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「アップルパイ、食べるかい?」 そう言われて、初めて自分が空腹なことに気づいた。 アップルティーにアップルパイ、どうやらこのおばあさんは相当の林檎好きらしい。 サクッ ……これもアップルティーに続く驚きだ。 パイはサクサクで、リンゴはとても柔らかくて、なんとも言えない美味しさだった。思わず笑顔になる私を見て、おばあさんはまた微笑んだ。 ……いやいや、和んでる場合じゃないんだった。 ここはどこなのか、私はバイトに行く途中だったはずなのに…… なにから聞いていいか考えていると、おばあさんが口を開いた。 「ここは、鏡の国だよ」
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