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私は確か、駅からバイト先に向かって歩いていたはずなんだけど……
あるべきはずの見慣れた町並みは、そこにはなかった。
ビルが立ち並んでいた場所にあったのは、【なにかの巣】だった。
いや、ビルであることは間違いではないんだけど、なんていうんだろう……
アリの巣のみたいに、ただ『人間』という動物が生活する、穴だらけの塊に見えた。
このおかしくなってしまった街……いや、世界かもしれない。
行き交う人々は、不思議に思わないのだろうか?
そう思って辺りを見渡すと……
「!?」
人に、色が…ない……?
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