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10年後
「こちらへお掛けください」
混み合った電車内、乗車してきた初老の男性に失礼とは思いながら声をかけた。
「いや、大丈夫だよ。それより君の方が大変じゃないか?」
私の足を見て男性が気を使ってくれる
私は笑顔でこう返す
「大丈夫ですよ、それに…」
「それに?」
「貴方に座っていただけると夢が一つ叶うんです」
「…よくわからんがそれならお言葉に甘えようかな」
「はい!」
私と男性は私が降りる3駅先まで理由もなくニコニコしていた
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