Prologue 01

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―――その男が去ったのち、伸二は血溜まりを引き伸ばしながら床を這った。 携帯電話は、たしかデスクの1番下の引き出しに入っているはず。 容赦なく押し寄せる腹部の激痛に耐えながら、伸二は取っ手を確かめて引く。 手探りでそれを取り出し、不思議と冴えた手つきでアドレス帳を開いて耳にあてた。 「……ああ、俺だ。アンタの言った通り…のことが起き、ちまった……。……作戦はZルー…トで頼む……うっ……。……だ…大丈夫なわ、けねぇだろうがよぉ……。……ああ。……頼んだぜ……。 ……ヒナタ…ちゃん―――」  
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