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『もうすぐ着くよ。注意してね』
「あ?」
カノンがアナザーに視線を向けると、そこにはすでにアナザーの姿はなく、とある一点が光りだした。その光はどんどんこちらに近づいてくる。
「そういうことか・・・」
出来事を察知したカノンは、光が自分の体を通り抜けていく瞬間に、軽く跳んだ。案の定、それまでは足場だったそこが、急に床が抜けたように、なくなっていた。
「《ウィング》」
カノンは魔法を唱え、自分の体を宙に浮かせる。そして光が納まり、新たな足場が見えるようになって、魔法を解除し、着地した。
「ここが異世界ねぇ・・・」
光が納まって、カノンの目に飛び込んでくる景色は、今まで見たこともないほど【成長】した自然である。元々の世界では自分とほぼ背丈の同じ木も、ここでは何倍も大きい。草も同様で、歩くのにも支障が出そうなほどだ。
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