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「まさかとは思わんが、お前があのアナザーってのを使ったのか?」
「・・・うん」
小さい声だが、その声はどこか嬉しそうである。
「なるほどな・・・。そこまでしてなんかやりたかったのか?」
「・・・それを教える前に・・・戦って?」
戦うだ?とカノンが問いただす間もなく、少女は魔法の詠唱を始めた。
「聞く耳持たないってのか・・・。いい度胸してやが・・・る・・・」
詠唱をする少女を見て、カノンも臨戦態勢に入るが、少女の行動が数段も速かった。少女の身の丈はあろう、氷を纏った剣が、まっすぐこちらに向かってくる。
「っ、単発でこのスピードか。しかし、威力がねぇな」
カノンは詠唱をすることなく、炎の魔法を唱える。魔法を使える人間なら誰でも扱えるその魔法。そんな魔法を前に、氷の剣はみるみる溶けて、跡形もなくなってしまった。
「・・・!?」
「見えんだよ、てめえの魔力」
すかさず反撃に転じる。足で地を鳴らすこと2回。地面は隆起し、手枷足枷となって、少女を捕らえた。
「《グランドロック・S(スクエア)》」
土の枷は少女を捕らえ、その重さで動きを封じ込める。自由を奪われ、重さのバランスが崩れた少女は、そのまま地面に座り込んだ。
「さて、どうしてこんなことしでかした?返答次第では、痛い目見るぞ」
「・・・女の子をいたわることはしないの・・・?」
「いきなり攻撃してくるやつをいたわる気はない。事情があるなら先に言え」
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