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「一つ気になることがあるんだが、ここではお前の持つ魔力はどのくらいのレベルに値するんだ?」
「・・・私の、魔力?」
変な質問と思いつつ、少女は少し考え、答える。
「・・・明らかに、下から数えた方が早い。落ちこぼれって言われてもおかしくないくらい」
「・・・」
その答えに、黙りこむカノン。少女はそれを不思議そうに眺めていた。
そして、カノンの口が開く。
「もう一つ聞く。お前は、こんな魔法の使い方を見たことあるか?」
「・・・?」
カノンは立ち上がり、詠唱を始める。その詠唱は聞いたことがないのか、少女は首をかしげている。
「《フレア・スクエア》」
カノンの目の前に現れる二つの炎の玉。それが混ざり合い、その大きさを増していく。
「こんな魔法の使い方だが・・・」
と、カノンが少女のほうを向くと、当の少女は口をポカンと開けて、腰を抜かしていた。
「・・・なに・・・?こんな魔法?見たこと、ない・・・」
少女のその言葉に、カノンは自分の仮説を確信へと変えた。
「ああ、あんたらとは魔法の使い方が違うみたいだ」
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