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「・・・どういう、こと?」
少女が腰を抜かしたまま問う。カノンはその問いに答えることなく、魔法を解いてその場に座った。
「その前に、お前誰だ?素性が知れないまま答える義理はない」
その返しに若干ムッとした表情を浮かべたが、仕方ないといった風に自己紹介を始めた。
「・・・私は、ユウイ・アイスアーデル。一週間前にこっちに越してきた、田舎貴族なの・・・。・・・一応、ちゃんとした書籍に書いてるから、調べれば出てくるはず・・・」
小さな声なのは相変わらずなのだが、だんだん聞こえてくるようになってきた。慣れなのだろう、とカノンは解釈する。
「俺はカノン。めんどくせぇしファーストネームははしょる。お前の魔法でこっちに来た。ま、自己紹介なんざこんなもんでいいだろ」
そういって自己紹介を切り上げる。必要な情報は得られたからだろう。カノンは視線をそらせることなく続けた。
「まずはこれだけはいっておこう。俺の魔力の【量】は、落ちこぼれだと言うお前より少ない」
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