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何も言わず驚嘆の表情を浮かべるユウイをよそに、カノンは話を続ける。
「理由は至極簡単だ。まだ予想の域を抜け出せないが、この世界と、俺がいた世界ではまるっきり魔法の使い方が違う、ということだ。例えるなら・・・、加法と乗法、といったところか?」
「かほう・・・、じょうほう・・・?」
「早い話が足し算か掛け算かってことだ。お前以外にこの世界の魔法を見ていないから一概には言えないが、反応を見てそういうもんだと推測した」
「・・・つまり、カノン君と私が同じ魔法を2回使ったとしたら、カノン君の魔法の威力は2乗されて、私の魔法は2倍される、ていうこと・・・?」
「そういうことだ、理解できるやつでまだよかった」
「・・・言い方が気になる」
その一言に、カノンの中でなにかが弾けた。
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