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「お前、いきなり人を異世界に呼び寄せといて、喧嘩ふってきて、挙げ句の果てには愚痴たれるとは、いい度胸してるじゃねぇか!」
「だって、私より魔力少ないんでしょう・・・?」
「ああ少ねぇさ!でもこれだけははっきり言ってやる。俺は誰にも負けないとな」
「・・・意地っ張り」
「・・・それじゃぁ、俺のとっておき見せてやるよ」
カノンは口喧嘩じゃらちが明かないと思ったのか、おもむろに背を向けて、詠唱を始めた。ここに来るきっかけとなった、例の魔法の詠唱を。
「『フレア・F・T』」
炎の魔法、フレアを5乗した巨大な球体の炎。それを見て、ユウイは再び驚嘆の表情を浮かべる。
「そらよ」
と、カノンはその炎の玉を地面に放つ。焼き付くされそうな熱気が辺りを包んだかと思えば、体が浮きそうなほどの風が吹き荒れる。
熱気と風が止んだとき、カノンのそばには、まるで隕石が落ちてきたと思わせるほどのクレーターが出来上がっていた。
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